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彼は自動車会社と縁があり、フィアットやダイムラー・ベンツのために建築の設計も行う。
また一九六○年代にK川紀章は、人々の移動が激しくなる「ホモ・ルーベンス」の時代が訪れ、カプセルが合体し、離れたりするように、将来の建築は取り外しが可能になると予言した。
これもアメリカのモビリティ社会におけるハウストレーラーなどから着想を得ている。
だが、今や「携帯空間」というキャッチコピーがファンカーゴに使われ、逆に建築が参考にされた。
高速で移動するドライバーに対しては、瞬間のインパクトが勝負だ。
そこで建物の内容をかたちで説明してしまう。
自動車のスピードが独特の建築と風景を生む。
ョIロッパの芸術家肌の近代建築家は、路上の商業建築を俗悪なものとみなした。
アメリカのポストモダン建築家ロバート・ヴェンチューリは、一九六○年代にイェール大学の学生を率いてラスベガスのロードサイドを調査する。
批評家のトム・ウルフによれば、ラスベガスは看板が並ぶ、記号の都市だった。
ヴェンチューリの成果は『ラスベガス』で発表され、馬鹿にされたカジノの街から新しいデザインの方法を導く。
自動車の時代に古くさい美学は通用しない。
彼は「装飾された小屋」の概念を発見した。
道路沿いに大きな看板を掲げ、その背後に離れて建物を配置したものである。
近代建築は機能性のみを重視し、ユーザーとのコミュニケーションがヘタだった。
「装飾された小屋」は、独立した看板がクルマに対するサインの役割を果たす。
建物はサインに影響されず、機能性を追求できる。
ポストモダンのデザインは路上から生まれたのだ。
日本も戦後は自動車の時代に突入し、アメリカのように、モータリゼーションと郊外化が新しい都市の姿をもたらす。
地方のロードサイド沿いにチェーン店やキッチュな建築が続く風景が誕生した。
例えば、「(掛川市)郊外の国道一号バイパスに一歩でるとその沿道商業施設の乱立は無惨な風景を呈している。
ここがわたしの帰る街です、という人がいたら顔を見たいほど」とまで言わしめる状況は、それに類するものだろう(「建築雑誌」日本建築学会二○○○年四月号)。
交通と都市の関係は、徒歩交通時代(宿場町の発生)、鉄道交通時代(駅周辺の市街化)を経て、戦後は自動車交通時代に突入した。
一九六○年代からの約二○年間で、市街地面積が六倍に拡大し、郊外に新しい商業需要をもたらした。
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